こんにちは!
さて、総合学習室アビリティがこの冬、
4・5・6年生の子どもたちにプレゼントした「学力の種」。
これから何回かに分けて、内容を詳しくご紹介します。
今回は、すでに子どもたちが国語の教科書などでも親しんでいる宮沢賢治の童話です。
6年生は「猫の事務所 〜ある小さな官衙に関する幻想〜」というお話を、
4・5年生は「気のいい火山弾」というお話を読みました。
(それぞれ、リンク先の青空文庫でも読むことができます。)
それぞれのお話は、あえて原文通り、
旧仮名遣い(歴史的仮名遣い)で用意しました。
およそ100年前の文章ですから難しい漢字もたくさん使われていますが、ふりがなもありません。
その上で、以下のような問題を用意しています。
「猫の事務所」ではこのような問題です。
・「官衙」 の読みと意味を調べましょう。
・「きまつてゐました」 を現代仮名遣いになおしましょう
・竈猫(主人公の猫)はどんな姿をしていますか。絵に描いてみましょう。
・「云ひました」を現代仮名遣いになおし、すべてひらがなで書きましょう。
・宮沢賢治はなぜ「言ひました」ではなく「云ひました」と書いているのでしょう。
面白そうでしょう?
今回のウィンターセッションでは、
100年読み継がれてきた名文を読み味わうだけではない大きなテーマがありました。
それは、
国語辞典、漢和辞典をできるだけたくさん使ってもらうこと!
「官衙(かんが)」という言葉、今ではほとんど使われていませんね。
まずは「衙」という漢字を調べます。
また、「云う」という漢字も日常生活の中ではほとんど使いません。
でも実は「いう」という言葉、漢和辞典で表記を調べると
言 曰 云 謂 道 の5種類あるのですよ。
ご存知でしたか?
同じ「いう」でも、それぞれに含む意味が異なります。
グループで調べ、発表してもらいました。
実はここで調べた「謂」や「曰」が、
この後読むことになる「論語」の伏線になっています(にやり)。
漢字が苦手だと言う子によく見られるのが、
漢字の部首や成り立ち、意味を理解しないまま、
図形のように形だけを覚えようとしてしまうことです。
お話を楽しみながら使われている漢字の意味を友だちと一緒に調べることで、
漢字の一つひとつに意味があるということ、
部首や書き順を覚えておくことの大切さを実感することができます。
何よりも、「漢字辞典って面白い!」と認識を新たにしてもらうことができるでしょう。
この授業のために、
塾長におねだりして中・高校生用の漢和辞典を8冊買ってもらいました(笑)。
これからもどんどん使ってもらいますよ!
以上、宮沢賢治編のご紹介でした。
次回は「寺田寅彦編」です!