こんにちは!
マリン教室国語科担当の齋藤です。
今年度のマリン教室ウィンタ―セッション、
4・5年生の国語科のテーマは読書です。
「芥川龍之介短編集を読む!」
です。
普段から、保護者の方々とお話していると
「わが子にもっとたくさん本を読んでもらいたいのですが、
どうしてもゲームや漫画に夢中になってしまって……」
というご相談をたくさん受けます。
アビリティの子どもたちに、改めて読書の楽しさを知ってもらいたい。
そして、長く読み継がれている一流の文学作品を通して、
たくさん調べ、考え、友だちと話し合ってもらいたい。
そんな願いから、
今年度は本をまるごと一冊テキストとして渡しました。
そのなかから
4年生は「トロッコ」
を、
5年生は「杜子春」
を読んでいます。
もちろん、ただ読んで終わり、ではありません。
それぞれの短編をテキストに、
「トロッコって何か調べてみよう」
「小田原熱海間ってどれぐらいの距離なの?」
「どうしてトロッコを使っていたの?」
「主人公の気持ちはどのように変化しているのかな」
「中国の洛陽ってどんなところだったのかな」
「自分が杜子春だったらどうする?」
「芥川龍之介之の他の作品と似ているところ、違うところはどこだろう?」
……などなど、教科横断的、総合的に学んでいきます。
第1回目は、自由に一読した感想を書いてもらいました。
いくつかご紹介しましょう。
「トロッコを読んで」
私は、小さい時に迷子になったことがある。スーパーのお菓子コーナーでウキウキしていたら一人きりになっていることに気付き、頭の中が真っ白になった。ついさっきまでの楽しかった気持ちとたった一人になってしまった心細いこの心の変化が大きくて、とてもつらい気持ちになったことを覚えている。
きっと良平も、私と同じ心の変化があってうれしい時や悲しい時の差が大きかったのだと思う。やっと大すきなトロッコをおせて、良平の気持ちは高まっていたが、最後は一人で暗い道をもどらなければならなくなり良平の気持ちは急激にさがってしまった。
私は、こんな急激な心の変化にはたえられずにすわりこんで泣いてしまうと思う。でも、良平は家に帰るまでなみだをこらえてきてつよい心があるんだと思った。「トロッコ」は、私の小さいころの心のおくにあった記おくをよみがえらせてくれる物語だった。
4年生 T.Kさん
「杜子春」を読んだ感想
僕は、杜子春を読んでの感想は三つあります。
一つ目は、杜子春がお金を持っているかどうかで、周りの人々の態度がころころと変わるところがとても印象に残りました。人との付き合い方についていろいろ考えさせられる小説だと思いました。
二つ目は、人との関係はお金などで変わってしまうことがあるが、逆に真っすぐな友情など何にも左右されない関係もあるのだなと改めて感じました。
三つ目は、やはり母の愛は偉大だなと思いました。杜子春が暴れすぎずに改心できたのは安心しました。
この感想を踏まえて、この話のテーマを考えました。一言でいえば「本当の幸福とは何か」です。
5年生 T.Aさん
(※それぞれ一部明らかな誤字などは修正していますが、ほぼ原文通りです。)
初読の感想からすでに、しっかり作品のテーマ(主題)を理解し、たくさん考えてくれていることがおわかりいただけるでしょうか。
これらの物語を入り口として、
この冬はすべての短編を全員が冬休み中に読破します!
「先生!もうぜんぶ読んじゃった!面白かった!」