毎年夏は、アビリティ中学部の「特色ある国語」にたくさんの生徒が参加してくれています。この夏も藤原和博先生の著書「100万人に1人の存在になる方法」を読み、個人ワークやグループワークを通して将来のキャリアやよのなかの動きについて学習しました。
アビリティの国語では、毎回季節講習にて1冊本を読みます。中学生くらいの年齢では実用書や、キャリアについての書籍を読むということは機会がないようで、「本、読みますよ!」という生徒の多くは小説などが中心。そんな時期に、大人の私たちが
「あぁこんな本を読んでいたらよかったなぁ」
と思える将来の役に立つ本を読んでもらい、ちょっと先のことについて考えたり、社会のことについて知ってもらい、日常とはすこし離れた経験をしてもらうことで、物事を深く考えたり、多面的に見たりといった機会を作ることがこの夏の国語の学習の目的です。
まずは、この「100万人に1人」とはどういうことか?ということから藤原先生の動画を活用して学習してもらいました。藤原先生はリクルート出身の民間人校長として活躍され、現在は教育改革実践家として活躍されています。1世代に1人の希少で価値がある存在、それが100万人に1人の人材であり、ご自身もどうやってその1人になったかということを本を読み、学びました。
そして次には実際に100万人に1人の存在として紹介されている、10名の社会人についての紹介を読みどの人の生き方、働き方が魅力的だったかについても考えてもらいました。そして、こういいたことをもとにして、「福島を元気にするには?」と題して4人チームでグループワーク。皆で知恵を出し合って考えてもらいました。
後半は今社会を席巻している、GAFA(グーグル アップル フェイスブック アマゾン )と呼ばれるアメリカの企業と、それに迫る勢いで急成長してる中国企業のBATH(バイドゥ アリババ テンセント ファーウェイ)について話、そして平成の30年でどのくらい世の中や生活が変化したかどうかについて知ってもらいました。
最後は藤原先生が中高生向けに作っている人気コンテンツ「よのなか科」の学習。今回のテーマは
「ケータイ、スマホとどう付き合う?」です。中学生の携帯保持率も年々上がり、電話ではないものの、インターネット端末を家庭で利用できるかどうかについてはほぼ100%でオンライン環境が身近なものになっているのは間違いありません。そんななかで、自分では契約はできず、回線の利用料は保護者が払っているので、貸与という形で中学生は利用しています。果たしてその実感を持っているか?また、貸してもらうにあたってのルールはどんなものが必要か?といったことについても考えてもらいました。
本を読んだ感想は、
「思ったより難しかった~」や、「大変だったけど勉強になった~」などたくさんの声が集まりました。この夏で学んだことをもとにして、今後のキャリアや、目標を考えるよい機会になってくれればと思っています。