全6日間の取り組みをご紹介いたします。
こんにちは!アビリティの作山です。中1冬期学習会の様子をお知らせします。
中学部では季節講習にて、特色のある国語の授業を行なっています。今回の課題図書は、奈良県一条高校元校長で、リクルート出身の民間人校長として著名な藤原和博先生の著書、「10年後、君に仕事はあるのか?」です。昨年9月に藤原先生には特別授業ということで福島にお越しいただき、アビリティの中高生へ向けての授業をしていただきました。今回の中1生の授業はこの本を一冊読みながら、自分たちのキャリアについて考える機会を作っています。
1日目「オリエンテーションとこれまでの10年」
これからの10年について考える前に、これまでの10年で一体何があったのか?ということに触れてもらいました。10年前(正確には11年前)は日本でiphoneが発売された年です。当時のニュースを振り返ってみると、スマートフォンに対して日本メーカーはワンセグなどで対抗すると報じられていますが、いまやスマホはiphoneかAndroid、韓国製や中国製。中学生にとってはそれが当たり前ですがそうでない時代があったことに驚き、10年で世の中が劇的に変化するということを感じ取ってくれていたようでした。
2日目「これからのカギとなる情報編集力」
著者の藤原和博先生がこれからを生きる子どもたちに身につけてほしいと話をしているのが、情報処理力、情報編集力、基礎的人間力の3つの力です。集団一斉型による、いかに知識をインプットしアウトプットするかという情報処理力から、答えがないものに対していかに皆が納得できる答えを提示できるかどうか?という情報編集力が問われる時代へ。学び方も変わってくるんだということを皆真剣に考えてくれていました。
3日目「雇われる力(エンプロイアビリティ)を身近なところから」
本の中では人材採用について書かれています。試験であれば問題を作った人の気持ちになって考える。定期テストや高校受験もそうですが、就職試験も同じです。「実際に面接官になってみるとわかる」という本にも書かれていることを、中学生がリアルに実感できるよう、「部活に入部試験があったら?」という設定にして体験。まさか、自分がなぜその部活に入りたいかなんて話すとは思っていなかったと思いますが、いざやってみると楽しそうに話をしてくれていました。
4日目「本を読んでのまとめとこれからのキャリアビジョン」
1日おきの講習で毎日2章ずつ読み、本を1冊見事に読破。さすが藤原先生、中学生でも読みやすく、分かりやすく書いてくださっています。今日は、読んでみて重要だと思ったキーワードを見つけてもらい、それをまとめてもらいました。内容をまとめる(要約する)ということを今まで経験したことがない生徒もいましたが、それぞれ精一杯チャレンジしてくれていました。文章を読んで、読み方を教えることよりも、自らやってみてどうなるか?を通して文章を読むことについて考えてもらいました。
6日目 「冬期のまとめと課題作文にチャレンジ!」
冬期学習会国語も最終日。最後に1年生に取り組んでもらったのは、2つの課題作文です。学校の国語の授業などでも扱われる200字作文にチャレンジしてもらいました。読書感想文などでは、原稿用紙が「なかなか埋まらない」経験をしている生徒もいますが、200字となると、「すぐに埋まってしまい書けない」というように、自分が書きたいことを取捨選択して書く必要があります。一人一人感じたこと、考えたことも異なりますが、それぞれが掴んだことをワークシートに書き込んでいました。冬期学習会は、この作文を保護者の方に読んでいただき何を学んだかを伝えて、教室に提出してもらって完了です。最後には塾長先生より、「なぜこの冬この国語をやるか?」という私たちが大切にしている、子どもたちにどう成長してほしいか?ということについて話をしていただきました。皆、真剣に耳を傾けてくれていました。
6日間という短い期間でしたが、1年生が本をしっかり読み、自分の考えを話している姿はとてもたくましく感じました。藤原先生の言う、「雇用される力」というものについて真剣に考えた中学生は全国探してもこの子たちだけだと思います。こういったことを通して、アビリティでは「新しい学力」を持った中学生を福島で育てていきます。
ここまで長い文章となりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。また、次の取り組みにもご期待ください。
総合学習室アビリティ