こんにちは!マリン教室国語科担当の齋藤(周)です。
総合学習室アビリティの「ウィンターセッション」、
今回は寺田寅彦編です。
みなさん、最近「金米糖」、食べましたか?
お店でもあまり見かけなくなりましたね。
昨年度は「茶碗の湯」を読んだ6年生の子どもたち。
今年度チャレンジしたのは、「金平糖」という文章でした。
実際に金米糖をみんなで食べてみましたよ。
この金米糖のできあがる過程が実に不思議なものである。私の聞いたところでは、純良な砂糖に少量の水を加えて鍋(なべ)の中で溶かしてどろどろした液体とする。それに金米糖の心核となるべき芥子粒(けしつぶ)を入れて杓子(しゃくし)で攪拌し、しゃくい上げしゃくい上げしていると自然にああいう形にできあがるのだそうである。
中に心核があってその周囲に砂糖が凝固してだんだんに生長する事にはたいした不思議はない。しかしなぜあのように角(つの)を出して生長するかが問題である。 ※( )はルビ
昨年度はお茶碗に入った一杯のお湯から地球に起こる気象現象について書いていた寺田先生、今回は「金米糖」というお菓子から「不思議」を見つけています。
「金米糖はなぜあのような形になるのか?」
これ、実は今現在も解明されていないそうです。
文章はこの「金米糖」から「リヒテンベルクの放電図形」、
そして「生命の起源」についての考察にまで広がっていきます。
さて、今回の作文のお題はこちら!
【問題】 寺田寅彦「金米糖」を読んで答えなさい。
あなたの身近にあるもの・ことのなかで、「実に不思議だ」と思うことは何ですか。
また、それはどうしてですか。
身近な事柄から次々に「不思議」を見つける寺田先生。
今年度は子どもたちにも、身近な「不思議」を探してもらうことにしたのです。
さすがアビリティ生、いろいろな「不思議」を見つけてきたのですが、
思わず笑ってしまったのがAさんのこのような「不思議」です。
私が実に不思議だと思うことは姉とのけんかが絶えないことだ。
毎日何回もけんかしてるのによくこんなにけんかのタネがあるなと思う。夏休みや冬休みに姉が一日中学習塾に行っている日でもけんかするし、一言もしゃべらなかった日でもけんかしているから、本当に不思議だと思う。その理由もとてもくだらないことなのに、毎日大げんかになるのも不思議だ。
きちんと筋道を立てながらも小学生らしいユーモアのある作文ですね。
「わかるわかる」と頷くお友だちも多いのでは。
この他にも、
どうして蝉は夏にうるさく鳴くのか。
掃除しても掃除しても部屋にホコリが出るのはどうして?
といったものや、
人間はなぜ戦争をするのか?
というものも。
子どもたちが見つけたたくさんの「不思議」、
将来ものすごい大発見・大発明につながるかもしれません。
「金米糖」以外の文章も、ぜひ読んでみてくださいね!